【食虫植物】ドロセラ カペンシス
Drosera capensis (アフリカナガバモウセンゴケ)
本種は南アフリカ(ケープ地方)の湿原等、栄養塩の乏しい環境に分布している。多年草でハエトリソウのような冬眠を要さない。モウセンゴケの中でも強健種であり、古くから栽培されている品種の一つである。
・捕虫
長い匙葉形状の表面部分から腺毛を出しており、その先端は粘液に覆われている。虫が粘液に捉えられると同時に匙葉は傾性運動を開始し、虫を包み込む。腺毛からは粘液と同時に消化酵素も分泌されており、包み込んだ虫を分解することができる。
捕虫による傾性運動は、細胞への刺激による電位差の伝播と、植物ホルモンによる急激な伸縮運動によって起こる。
進化論者Ch・ダーウィンもモウセンゴケの捕虫活動に強い刺激を受けており、その様子はダーウィンの知人への手記に示されている。
市販のカペンシスで傾性運動が見られない場合が多くあるが、細胞刺激に達しない程の小さな虫の場合はそれらの運動が見られないだけであり、品質上は問題ない。
・用土
ハエトリソウと同じく保水性のある水苔や、ピートモスがおすすめ。
・育て方
生育環境は10℃~30℃程度で冬場は温かい室内に保管する。直射日光を必要とするが、夏場は50%程度の遮光をしてあげると葉焼けの心配がなくなる。「腰水」という方法で常に保水性を維持する必要があるが、夏場は水温が高くなるため、発泡スチロール製の箱での栽培をお勧めしたい。