【食虫植物】ハエトリソウ・ハエトリグサ

Dionaea muscipula (ハエトリグサ)

ウツボカズラ目 モウセンゴケ科 ハエトリグサ属

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Dionaea muscipula

 本種はアメリカ合衆国ノースカロライナ州サウスカロライナ州の湿原にのみ生息している。二つに折り重なった捕虫葉の中心部に3本程の感覚毛が生えており、2回触れることで閉じる仕組みとなっている。

 

 

・捕虫

 捕虫の原理としては、感覚毛を刺激すると活動電位が発生し、細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇する。カルシウムイオンが閾値を超えた量まで蓄積すると葉が閉じるが、一度の刺激では閾値を超えることができず、2回の刺激を与えることで閾値に到達する。(カルシウムイオン濃度は1回目の刺激で上昇するが、徐々に減少し30秒以上たつと、2回目の刺激を与えても濃度が閾値に達成しない。)

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 捕虫は生存に必要な栄養源を得ることが目的ではなく、あくまで肥料となる栄養塩を補給することが目的であるため、餌をやる必要は全くない。むしろハエトリソウは捕虫行為で増大なエネルギーを要するため、むやみに動かさない方がいい(3回程葉を閉じさせると枯れるといわれている。)

 

・用土

 代表的なものは水苔であり、個人的には最も生育が良いと感じる。栄養源の乏しい湿地に生息しているため肥料は一切必要としない。

 

・育て方

 生育環境は5℃~30℃で冬は霜に当たらない場所に移動させ、冬眠させる必要がある。湿地に生息しているため、腰水という方法で常に用土を湿らせておく必要がある。ここで注意するべき点として、直射日光に当たると水温が40℃以上上昇し、根を弱らせてしまう場合が多々ある。対策として発泡スチロール箱を利用すると、水温上昇を軽減させることができる。