【食虫植物】ネペンテス ベントリコーサ

Nepenthes ventricosa (ネペンテス ベントリコーサ)

ナデシコ目 ウツボカズラ科 ウツボカズラ

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Nepenthes ventricosa

 本種は、フィリピンのルソン島北部の固有種である。ヒョウタンのような形に表面に翼が一切ない滑らかな壺が特徴的である。そのウツボカズラとは思えない特異な形状から、「最も美しいウツボカズラ」と呼ばれることも。

 

 古くから観賞用として普及しており、日本に最初に持ち込まれたのは第二次世界大戦前である。当時は個体数も多く、その強健さから多くの園芸に育てられていたが、インターネットの普及により海外からより安価で奇妙な株が簡単に入手できるようになり、本種に対する価値観が薄らいでいった。その結果、本種を手放す園芸家が相次ぎ、いつしか本種は希少種扱いになるまでその数を減らしていた。

 希少種として近年値段が高騰した本種は、その価値観が再認識され多くの園芸家が本種を求めるようになった。しかし、本種の取引目的には以前のような観賞目的としてではなく、金銭欲が強く出ていると感じる。

 

育て方

 強健種として評価の高い本種であるが、その栽培環境によって色合いや大きさが大きく変わる。大きな袋を付けたいのであれば、ハイランドネペンほどの冷涼な環境かつ十分な日光量が求められる。株自体は強いが、初心者の大半が袋なしネペンに仕上がってしまう。